勉強が苦手な中学生のリアル/江戸川区西葛西の高校受験塾【斉学舎】
勉強苦手な中学生のリアル【正直シリーズ】
こんにちは。江戸川区葛西の個人塾「斉学舎」代表の齊藤です。
久しぶりに「正直シリーズ」を更新します。
「正直シリーズ」とは、塾の宣伝色をできるだけ排除し、教育現場のリアルをお伝えする記事です。
今回は 「勉強が苦手な中学生のリアル」 について。
これまでのべ2000人以上の生徒を指導してきた中から、とても象徴的な例を紹介します。
________________________________________
「勉強苦手」とはどんな子?
今回の「勉強が苦手」とは、
• 小学校ではテストで70点前後
• 中学校に入ると30点前後
このくらいの成績の子をイメージしてください。
上記二つはだいたい同じ学力です。
小学校の平均は85点、中学校は35~65点。
「普通の苦手、くらいじゃない?」と思うかもしれませんが、実際に現場で接すると、その状況は大人が想像する以上に深刻です。
________________________________________
歴史の教科書を開いてみると…
例に出すのは中1の歴史教科書の冒頭部分。
「秦は北方の遊牧民族の侵入を防ぐため、万里の長城を整備しました。始皇帝は皇帝を頂点に全国を支配する中央集権体制を実現し、文字や貨幣などの度量衡を統一しました。」
ある生徒に、これを1対1で教えたとき、なんと丸々1時間かかったのです!
速い子なんて、「ふ~ん、そうなんだ」の30秒で終わる内容です。
________________________________________
生徒の疑問はこんな感じです
• 「秦って何?人?場所?」
• 「遊牧ってどう読むの?遊ぶの?」
• 「牧畜って何?」
• 「民族って何?」
• 「侵入って何?入れてあげればいいじゃん」
• 「防ぐって何?逮捕するってこと?銃で撃てばいいじゃん」
• 「万里の長城って何?整備ってなんで“作った”じゃないの?」
• 「皇帝って何?頂点って何?」
• 「支配って何?」
• 「中央って何?集権って何?体制って?」
• 「文字って中国語じゃん?」
• 「貨幣って何?なんで統一するの?」
…つまり、 何もかもが分からない のです。
これは決して大げさではなく、現場では珍しいことではありません。
________________________________________
問題は「歴史」ではなく「日本語」
多くの保護者の方は「歴史が苦手なのかな」と思うかもしれません。
しかし実際には、 教科書の日本語そのものが理解できていない という現実があります。
そのため、歴史以外の全ての科目で似たようなことが起こります。
(そちらの実例もたくさん出せます)
語彙力、読解力、常識の不足。
小学校ではなんとなく雰囲気で点数が取れていた子も、中学校の教科書に入った途端、理解が追いつかなくなります。
________________________________________
これが勉強苦手な中学生のリアルです
お子様が中学生で、「うちの子、テストで30点台なんです」とおっしゃる保護者の方。
「頑張ればできるようになる」と考えている方が多いのではないでしょうか。
ですが、実際には そもそも文章を読む力が足りていない ために、勉強そのものが成立していないケースが大半です。
だからこそ、もしお子様が小学校で70点を取っている(取っていた)場合は、
「かなり危ない状況にある」と危機感を持っていただきたいのです。
________________________________________
まとめ
今回紹介した例は、江戸川区葛西の斉学舎で実際にあった指導の一場面です。
もちろん全ての子がここまでではありません。
しかし「テストで40点前後」という成績の裏には、 大人が想像する以上の“分からなさ”がある というのが現実です。
勉強が苦手な中学生のリアルを知ることで、保護者の方が正しい危機感を持ち、早めに手を打てるきっかけになればと思います。