頑張っても勉強苦手な子について、正直に語ります/境界知能とは?①

皆さん、こんにちは。斉学舎代表の斉藤です。

皆さんは、「境界知能」という言葉をご存じでしょうか。

「境界知能」とはIQが70以上85未満で、「知的障がいではないが、考える力が平均よりも低い」という状態です。
人口の約14%を占め、学校の1クラスに5人いる割合です。
知的障がいではありません。しかし、本人や家族は学習や生活に困りごとを抱えていることが多いです。
(なお、文部科学省調査によると「発達障害の可能性がある」子は、人口の8.8%、クラスに3人です。)

実は、「頑張っても勉強が苦手な子」の多くは、この「境界知能」の可能性が高いです。

参考記事:プレジデントオンライン
参考図書:『ケーキの切れない非行少年たち』

中学生、高校生なのに、
・都道府県がわからない
・2桁の計算が怪しい
・分数の計算ができない
(上記参考記事より)
等の場合、境界知能の可能性があります。

私の教え子で、実際に境界知能の生徒が何人もいました。
(WISC-Ⅳ検査による)

彼らの悩みを聞くと、
「授業を聞いてもわからない」
「覚えてもすぐに忘れてしまう」
「そもそも覚えられない」
口をそろえて同じようなことを訴えます。
小学校の頃からその傾向が強かったとも話しています。

小学校で70点未満、中学校で40点未満の子の多くは境界知能の可能性があります。
(35人学級で、クラス順位25~35位くらい・不登校除く)

ちなみに、
私は以前、学習障がい・発達障がいの生徒向けの放課後等デイサービスを自分で設立し、現場責任者をしていました。
児童指導員の資格も持っています。
特性を持った生徒に指導を始めて、もう8年になります。

専門の医師ではありませんが、ある程度の知識はあります。

斉学舎は「勉強が苦手な子向けの塾」として10年以上前に設立されました。
そのため、境界知能の子に対するアプローチを考えることが、斉学舎の日常でもありました。

最近でも、
中学生から
「鎌倉幕府って人の名前ですか?」
「首都って何ですか?」
など聞かれました。

似たようなことは英語や数学でも頻発しています。
1,授業で方程式文章題を教える
2,授業でやった問題を宿題に出す
3,「家でやったけどわからなかった」と白紙か赤で答え写してくる
4,同じ問題をもう一度教える
5,以下繰り返し

一般的な生徒が2回説明されれば理解できるところを、
7,8回説明されて、基礎問題だけ出来る、くらいの差があります。

次回は、このような経験をベースに、
「境界知能」の子は、どのように勉強すればいいかを書いてみます。